2016/07/25

心房細動と、その手術レポート

昨年秋、心房細動という不整脈が発覚し、手術することになりました。
それまでのいろいろを、まとめておこうと思います。
ぼくと同じように心房細動になったひとの役にたちますように。

■心房細動が発覚したのは
9月の健康診断のときだった。心電図で不整脈が見られて、典型的な心房細動のカタだと言われ、直ちに循環器内科に行くように言われた。
「循環器内科」で近所を検索したら、こだま内科という病院が良さそうだったので、そこに行くことにした。
http://www.kodamanaika.jp
結果的には、このこだま先生が、丁寧でわかりやすくて、本当にお世話になった。
循環器内科の先生としてテレビに出るような先生だった。
//余談だがこのこだま内科、土日も夕方まで開院しているので、ほんとうに助かった。
ほかの急な病気でもお世話になっています。


■心房細動という病気
不整脈のひとつで、心臓の脈が乱れる。心房細動自体は直ちに死に至るという病ではない。
怖いのは、心臓が不定期に脈打つことで、血栓という血の塊が 心臓の中で出来やすくなるので、その血栓が脳の血管に行ったとき脳梗塞になるということだ。
心房細動がない人とある人では、脳梗塞の可能性が5倍違うという。
ジャイアンツの長嶋茂雄の脳梗塞は、心房細動が原因で、心房細動の怖さを例えるために、どのお医者さんの口からも「長嶋みたいになる可能性がある」と言われた。
心房細動はそんなに珍しい病気ではなく、とくに70歳以上の男性によく見られる病気だそうだ。


■心房細動の原因は
よくわかっていないらしいが、最近の研究では、ストレスや太り過ぎ、お酒ののみすぎなど諸説あるそうだ。
ぼくのばあいはその全部に当てはまるので、ぐうの音もでない。
予防としては、太り過ぎやストレスに、悪いお酒が重ならないようにすることなんだろうと思う。
最初に慶応病院に行ったときに、研究用のアンケートに協力してほしい とのことで、上記のようなことの頻度を聞かれた。


■心房細動の治療と手術
●薬と影響
心房細動になった場合、一番怖い脳梗塞予防のために、すぐにワーファリンやイグザレルトという薬を処方される。
これは血液を固まりにくくする薬で、血栓をできにくくするためのものだ。即処方される。
しかし、これらは心房細動を治療する薬ではない。
ほかに、心拍を遅くする薬もいくつかあって、やはり血栓ができないための予防だ。それらも合わせて処方される。
これらの薬を飲む以外は、とくに禁止事項はなく、お酒も飲めるし、運動もしてもいい。ただし心拍が上がらないのですぐに息切れする。
僕の場合フットサルやタッチラグビーを何度かしたけれど、とくに違和感はなかった。もともと激しく動いていたわけではないからだと思う。
やせようと思っても、運動ができないので、心房細動の原因のひとつをなくしにくい。
あと、値段の話。ワーファリンという昔からある薬は、とても安価だが、日に3回飲まなくてはならず、納豆などが食べられなくなる。それに対し、新しいイグザレルトという薬は、一錠150円ほどと高価だが、日に一錠でいいし食べ物制限などもない。ぼくは納豆食べたいのでこちらを選んだけど3週間ぶんで毎回8000円ほどの出費になった。

●心房細動の対処として、生涯薬を飲み続ける という方法もある。
年齢が70を超えているなど、手術に耐える体力がない場合などは、薬での対処ということもあるそうだ。
1990年くらいより昔は、手術ができない(むづかしい)病気だったので、ずっと薬を飲んで、出血に気をつける という方法だったらしい。

●心房細動は手術で根治できる
1990年以降、カテーテルやCTスキャンの目覚しい進歩で、開腹しない手術で治療ができるようになった。
カテーテルアブレーションという方法で、足の付け根と首の血管に、カテーテルという細い管を通し、心臓に直接治療をするという、信じられないような方法である。心房細動の原因を誘発している部位を焼いて消すということらしい。
動いている心臓に直接傷つけるなんて、聞いたときは本当に驚いたし、とても怖かった。
しかし、この方法の成功率は非常に高く、この10年で急激に手法も進歩したし、事故例も極めて少ない。
根治治療であるために、手術後は薬を飲み続けることもないし、そのほかの運動や食事の制限もとくに何もない。
また、開腹もしないし手術時間も短いため、体にも負担がかからない。手術の翌日にはシャワーも浴びれるし、その翌日に退院だ。実際手術を体験してみて、ほんとうにその通りで驚いた。
そのような手術なので、体力がある年齢のぼくは、手術を強く勧められた。
くわしい説明はhttp://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000399.html


■手術に対して二の足をふむ
でも、やっぱり、体に傷をつけるし、もともとあるものを焼いてしまう という心理的違和感で、すぐには手術を受けることを決断できなかった。
ずっと薬を飲めばいいんじゃないか?など、悩ましかった。
あと、手術の前の検査の、食道カメラや、CTスキャンするときの注射する造影剤も、得体が知れず怖かった。
採血だけで卒倒する怖がりなので、注射も点滴も食道カメラも全て怖かった。嫌だった。
なにより躊躇したのは、実はカテーテルよりも「尿の管を通す」という一文である。手術中、ちんちんに管を通して排尿を管理するという。めっちゃ痛い!と過去に体験した友達が言うので、恐ろしくて恐ろしくて。
しかし、マンを持して大学病院の先生に聞いてみたら、「あ、いまカップですよ」と言われ、ほんとうに安心した。なるほどたしかに慶応病院では、管ではなく、ちんちんにコンドームのようなものをかぶせて、そこからおしっこを取るようになってた。


■時間をかけられる、かかる。
心房細動自体は(薬での対処をすれば)火急の病気ではないので、手術のタイミングを自分で決められるので、よく考えて手術するか否かを決められた。
2月に紹介状をもらって大学病院にはじめて行き、そのときに手術のできる日が7月と言われたので、けっこう手術待ちの人は多いんだな、と思った。
その後、5月に意を決して手術を決断し、7月に事前CT検査、手術当日となった。だから大学病院には4回しか通院していない。
健康診断で心房細動が発見されてから、実に10ヶ月だった。
かかりつけの医院で、薬を処方してもらい、対処しながら、手術の決断をすることができた。


・・手術のレポートはまたこんど。

7月 25, 2016 帰国後雑記 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/05/22

ヒムロックのLAST GIGS

車がほとんど通らないような田舎道を自転車に乗っていた。学校に向かっていた。ウォークマンのイヤホンからは、ヒムロックとボウイが鳴っている。「B・BLUE」とか「Blue Vacation」とか「DEAR ALGERNON」とか「LOVE & GAME」とかとか。
当時の日本中の高校生は、みんなそんなだったんじゃないかな。
ぼくが15歳の時ボウイは解散してLAST GIGSのチケットは10分もせずに売り切れたとニュースになった。
その日もぼくはラグビーの練習が終わってウォークマンでボウイを聴きながら家に帰っていた。

たくさんの高校生がバンドしていた。ぼくらも学校がはじまる前の朝の5時や6時からスタジオで練習していた。早朝はめっちゃ安かったんだよ、藤沢本町のライトハウススタジオ。曲はもちろんボウイやヒムロックだ。ぼくらは高校生の間に数回ライブをやった。
ぼくはヒムロックのまねをしてるつもりだったけど、ヒムロックのようにカッコよくなくモテなかった。屈折と挫折の3年間。

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あれから25年以上もたって東京ドームのヒムロックのLAST GIGS。

当時のぼくのような高校生が一堂に会してるような、不思議な雰囲気だ。
当時、ヒムロック気取りで唄っていたぼくらは、当然ヒムロックのようにはなっていないけど、ヒムロックは今もヒムロックだ。少し声が出なくなってたけど、あの時と同じヒムロックが目の前にいて「CLOUDY HEART」や「ハイウェイに乗る前に」を唄っている。信じられない! 
近くにいた40歳くらいの男性は、全曲口ずさんでいた。
むこうの女性は、なんか泣いていた。
懐かしいし、いいなあって思った。
自分がほとんど唄えるのに驚く「Blue Vacation」。 

けど、当然ぼくたちはもう高校生じゃない。明日からもまた、いまの生活が続いていく。

ヒムロックはライブで唄うのをもうやめるそうだけど、なんとなくわかる気がした。
高校生のぼくらがおっさんになるまで、ヒムロックはずっとヒムロックだったんだから。

ちょっと涙の、傷つきそうなシチュエーション。だってガラスのジェネレイション。別れ話にNO REACTION LOVE。LAST TONIGHT TONIGHT TONIGHT。

ヒムロックにこう言おう。シャンキュー!

5月 22, 2016 帰国後雑記 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/10/28

モネ展

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これだけ宣伝してるからきっと混んでるんだろうなあ。
なんて思って行ってきましたよ。ちょっと期待して。
http://www.ntv.co.jp/monet/
いい作品いくつかまとめて見られればいいかな なんて思って。


「やっぱりなあ。」


そんな感想が口を突いて出る展覧会でした。

モネの絵は素晴らしいんですよ。今まであまり展示されたことないようなものも多かったし。
とくに、描き始めのやつは非常に興味深かった。
Monet_add_0414_07
しかし!
「究極のモネ展」なんていうほどではなく。
しかも、目玉の「印象・日の出」は前半しか展示されないらしく、先週で展示終了でした。。。残念。

なにより、「芸術の秋」よろしく、大挙しておしよせる初老のみなさまには辟易しました。五郎丸とかマンション偽装とかどうでもいいでしょ?モネの絵画を、日々のおしゃべりのBGVにするんなら別のところでやってくれ!

べつに、神妙に観てくれって言わないんだけど、カジュアルに観てもいいんですけど、
ふつうに観てくれ!

おれだっけそんなに神妙に観てるわけじゃないけどね。
でも、せっかくの名作や佳作なんだから、もっとゆっくり穏やかに観たいんですよ。
国立西洋美術館の常設展の「モネの部屋」みたいな感じで観たいんです。


ということで、今回のモネ展、
作品は、見どころあるがパンチはなく、作品点数はモネ以外で若干カサ増し。
鑑賞環境は劣悪。おばちゃん満載のおしゃべりに耐えて、頑張らないと近くに寄れない中、明るいところで観るべきモネを、暗闇ピンスポで観ることになります1600円。


ああ、モネ観にフランス行きたくなってきた。


10月 28, 2015 帰国後雑記 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/09/30

『坊っちゃん』の時代

最近、このまんがを読んでいる。
『坊っちゃん』の時代

もともと 谷口ジローという漫画家の作品が好きなのもあるんだけど
ある日、千駄木の森鴎外記念館に行ったとき、明治の文豪に興味を持った。
浅草に住んで3年あまり、今や世界の大都会TOKYOも、暮らすぼくにとっては「おらが街」でもあるわけで、明治時代、この界隈を舞台にいろいろなドラマがあったと思うと、実に親近感がわく。東京という街をローカルな視点で感じるとおもしろい。

夏目漱石、森鴎外、石川啄木など、このまんがにでてくる文豪たちの話は、人間臭い。そして芸術家である。明治という近代日本の青春時代、古い価値観と西洋文明の狭間、社会と自己といった概念の板挟みの中で、いろいろに考え、著わし、同時代人に影響を与え、そしていつまでも悩んでいる。

40歳を超えた今、「何をなすべきか?」なんて、
はたと そんなことを考えるほど、感じ取れる作品だった。

世界一周に行く前にも「死ぬ前に何をなすべきか?」なんて考えたが、一周しても答えなんか出なかった。すでにもう10年以上前の話だ。

ひとつはっきりしていることは、なにかに悶々としている理由は、全て自分の中にある。
現在の生活にさわやかな充実感があれば、悶々となんかしない。
世界のどこかに答えがあるのではなく、自分で自分を変えなければ、悶々はとれない。


9月 30, 2015 これはいい!世界一周的なもの | | コメント (0) | トラックバック (0)

2015/02/22

寄れる展覧会、「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」at三菱一号館美術館

三菱一号館美術館の展示に行きました。想像してたよりよかったです。
「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」 http://mimt.jp/nga/
何より今回の展示は、絵に寄れる。こういう企画展にありがちな、柵とか線による「寄り制限」が、この展示には、ありませんでした。小作品が多いので、寄ると、ほんとに画家が描いていたときのストロークを想像できるので楽しかった。
今回の作品群は、もともとプライベートコレクションのものなので、一人の女性が集めたもので、その嗜好とかテーマ性が感じられておもしろいです。逆に、その画家を代表しない?作品ばっかりなので、そのあたりもとても興味深いです。
ルノワールとかセザンヌの私的な絵とかがあって、なんかぐっときました。そういうのが、三菱一号館の小さな部屋の雰囲気にとてもマッチしてました。

ぼくが気に入った絵。この絵のモデルのアンリオ夫人は、ルノワールがよく描いたモデルさん。この絵は、アンリオ夫人自身が、最後まで手元に持ってたそうです。

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ピエール=オーギュスト・ルノワール 《アンリオ夫人》 1876年頃 油彩・カンヴァス 65.8×49.5㎝ ワシントン・ナショナル・ギャラリー蔵
 National Gallery of Art, Washington, Gift of the Adele R. Levy Fund, Inc.

展示の詳細はココ↓
http://mimt.jp/nga/midokoro.html

印象派って言葉、「印象」で一括りにするのは、すごい無理あると常々思うんだけど、
ここに集められた画家の共通点って「同じ時代だった」くらいで、皆それぞれに描くテーマちがうし、興味の対象も違うし、「描きかたが似てるだけで、印象派って呼ぶのは、なんか尊敬ないなあ」って、そんなことを感じる展示でした。

みなさんもぜひ、画家が描いた目線を共有できる「近さ」を体験してみてはいかがでしょ。
http://mimt.jp/nga/


2月 22, 2015 帰国後雑記 | | コメント (0) | トラックバック (0)